香川県のほぼ中央、瀬戸内海に面した宇多津は、かつて塩の町として全国に名を知られていました。塩業の衰退とともに塩田は埋めたてられましたが、現在その地は新宇多津都市という新しい町に生まれ変わり、人、モノが行き交う玄関口としてにぎわっています。
しかし、この町にはもう一つの顔があります。塩で栄えるよりはるか昔、”津“と呼ばれる自然港があり、交易拠点として政治・経済・文化の中心地でした。古街と呼ばれるエリアには入り組んだ路地や寺町など当時の面影が残されています。歴史に思いをはせながら歩けば古の表情が浮かんできます。
町役場の南、旧丸亀街道が通る一帯が「古街」エリア。室町時代からにぎわった地区で、由緒ある神社仏閣や伝統的な日本家屋の町家が連なっています。入り組んだ町並みや町家の凝った意匠を見つけなら、交易拠点として発展した往時の名残に浸りましょう。
築146年と築84年の町家2棟が、古民家再生で知られるアレックス・カー氏の監修により宿泊施設として生まれ変わりました。太い梁や柱は当時のままで趣があり、土間や窓には商店だったときの名残も。水回りは最新設備が導入され、一棟丸ごと借り切って宿泊できます。
住所/香川県綾歌郡宇多津町2126-1
TEL/0877-85-6941
宿泊費/宿泊人数で異なり、1人利用は14,000円~、5~6人利用は6,000円~(いずれも1人当たり)
県道33号線以北に広がる新宇多津都市。かつては遠浅の海であり、広大な塩田が築かれたこのエリアは現在、商業施設や観光施設が建ち並びます。うたづ臨海公園には、復元塩田、道の駅、恋人の聖地、遊具や芝生広場があり、ここを拠点に新旧の宇多津の町歩きを楽しみましょう。