
岡山県の北東部にある津山市は、城下町として発展した地。関ヶ原の戦いの後、津山に入封した森忠政によって城が築かれ、城下町がつくられました。戦災を受けていないため当時の町並みや土木資産が残り、情緒あふれるたたずまいを楽しめます。
ポイントは吉井川。吉井川を整備し、その北側を城下町としました。東西に細長く、出雲街道沿いは商人、職人の町として栄えました。特に城の東側の城東地区は、出格子、なまこ壁、袖壁を持つ美しい家屋が残り、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。途中、道が大きく曲がっているところがありますが、これは敵の襲撃の勢いをそぐためにわざと見通しを悪くしたもの。街道から北へ、武士が住んだ上之町に向けて13本の小路が伸び、きれいに区画整理がされているのが驚きです。
森忠政は、織田信長について本能寺の変で討死した森蘭丸を兄に持ち、父も武将と武闘派の家系でした。練りに練った都市計画は見事で、町を巡ればどのような意図で道や川が整備されたかを確かめられ、その知恵に感動します。湯原温泉とは距離が近いので、立ち寄ってみてはいかがですか。
城を挟んで西側、城西地区のいちばん端にはお寺が密集しています。西から攻めてくる敵をここで攻撃するためでした。 明治に入ると城西地区の西に鉄道の津山口駅ができ、ここが町の中心になります。店が繁盛し、町屋の一軒一軒が城東地区よりも大きいのが見て取れます。
城下町をつくるにあたり、最初に手を付けたのが吉井川の治水事業。たびたび洪水を起こしていたため堤防が築かれ、城下町に水が入らないように「なげ」と呼ばれる水制がつくられました。水の力を弱め、流れを変える働きがあり、当時の「なげ」が今も残されています。
津山城下町巡りの拠点。自転車のレンタルはここでできる。観光案内コーナーがあり、食事やお土産の購入ができる。
住所/岡山県津山市山下97-1
TEL/0868-22-3310
営業時間/4~9月/9:00~18:00
10~3月/9:00~17:00
休館日/12/29~1/1
料金/自転車レンタル:3時間まで400円、1時間増すごとに100円。1日1,000円