瀬戸内海のほぼ中央にある瀬戸田町は、日本一の生産量を誇るレモンの産地。生口島と高根島からなり、シンボルスポットのレモン谷をはじめ島中で栽培されています。なかでも農薬と化学肥料を通常の半分以下に抑えた特別栽培農産物「せとだエコレモン」は、皮まで安全安心に食べられ、人気です。
瀬戸田でレモン栽培が始まったのは明治時代。レモンは寒さと風に弱く、マイナス3度が5時間続くと枯れ始め、木のトゲで実が傷つき、病気にかかりやすくなります。このため温暖で台風襲来の少ない瀬戸田が栽培に最適でした。また斜面が多く、水はけのいい花こう岩により必要以上に水分を蓄えず、香り高く、濃い味になります。輸入レモンの自由化で打撃を受けたこともありましたが、安全性と香りの豊かさで再び脚光を浴びました。
5月中旬に瀬戸田を訪れるとレモンの花の香りに包まれます。露地物は10月頃から4月まで収穫され、その後は鮮度保持フィルムで個装、貯蔵したレモンが出回ります。貯蔵レモンはすべてエコレモンです。需要の増える夏はハウスレモン。冬場からハウス内の温度を上げ、通常より早く収穫できるようにし、1年中味わえるように工夫しています。
爽やかなレモンを味わうと疲れが吹き飛びます。10月頃から12月頃は早摘みのグリーンレモン。香りがよく、ドリンクやお酒にいれるのがおすすめです。そのまま木に実らせていると黄色く色づき、さらに熟すと酸味がまろやかになり、甘みが生まれます。黄色いレモンは果汁たっぷり。レモン鍋や、鶏肉と煮込んだり、塩レモン、お菓子に使用したり、料理のメインにもアクセントにもなります。
型枠を使用して栽培したハートと星の形をしたかわいいレモンや、エコレモンの加工品も豊富です。瀬戸田町のさまざまな店舗や、JA三原のオンラインショップで購入できます。
和食、洋食、お菓子など、何にでもあうレモン。
瀬戸田には産地ならではのこだわりのレモン鍋やスイーツを楽しめる店がたくさんあります。