
愛媛県最南端の愛南町「宇和海海域公園」は、国内有数のダイビングスポット。観光船の運航やダイビングガイドを手がける合同会社SeaWestの高橋翔(しょう)さんは2016年、この海に魅せられて東京から移住してきた。「海中にはサンゴが群生し、周りを魚たちが泳ぐ幻想的な情景が広がっています。その魅力を多くの方に知っていただくのが私の喜び」と高橋さん。提供しているアクティビティのなかでも、とりわけユニークなのが「シーウォーカー」。船で無人島へと渡り、常時新鮮な空気が送り込まれてくる特殊なヘルメットを被って海中へ。魚たちと戯れながら海底をゆったりと散歩する。
「この海域には約800種、日本全体の4分の1という膨大な種が生息しています。サンゴの群生も広範囲にわたっており、国内屈指の好環境です。何より、海中で呼吸する感覚は忘れられないものになりますよ」と高橋さん。
ライセンスは不要。水着で体験でき、泳げない人や高齢の方も安全に挑戦できる「シーウォーカー」を入り口に、シュノーケリングやダイビングにハマる人も多いそう。国内では沖縄と愛南町でしか体験できないというこのアクティビティで、宇和海の魅力をより深く知ることができる。
西海観光船(合同会社SeaWest)
住所/愛媛県南宇和郡愛南町船越1599
TEL/0895-82-0280
営業時間/9:00〜16:00
定休日/年末年始(天候により臨時休業あり)
駐車場/あり
HP/https://nishiumi.info
※シーウォーカー体験は7・8月で予約制、
体験料は1名6,500円(渡船料金往復1,000円が別途必要)
宇和島市には農林水産省の「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれた名物がある。小魚を皮や骨ごとすり身にして、油で揚げた「じゃこ天」だ。宇和島市や八幡浜市など県内の海辺のまちには練り物屋が多いが、そのうちの1軒である安岡蒲鉾は1952年に鮮魚店として創業した。「創業者である祖父は、魚の味にこだわりが強い地元の人を相手に商売していたので、知らず知らずのうちに目利きが磨かれたようです」と安岡弘和さん。その眼力が、代々しっかりと受け継がれている。
じゃこ天の主原料であるホタルジャコは、幻の魚とも呼ばれている。専門の漁師が水揚げしたものを新鮮なうちに手作業で捌いて、石臼で練り上げ、菜種油でからりと揚げる。「本物の美味しさを多くの方に知ってほしい」と、同社ではガラス越しに製造工程の見学が可能。また自分で成形する「じゃこ天作り体験」も好評だ。揚げたて熱々を味わうもよし、お土産に持ち帰るもよし。カルシウムやEPA、DHAが豊富に含まれているのも嬉しいポイント。見学&体験を通してじゃこ天の魅力を学ぼう!
安岡蒲鉾
住所/愛媛県宇和島市三間町中野中293
TEL/0895-58-2155
営業時間/9:00〜17:00
定休日/日曜
駐車場/あり
HP/https://yasuokakamaboko.co.jp
※じゃこ天手作り体験
9:00〜10:00、10:30〜11:30、13:00〜14:00
(1週間前までに2〜24名で予約、小学生以下800円、
中学生以上1,000円)、工場見学は無料
「真鯛」は愛媛県を代表する魚で、1990年以降、養殖真鯛の生産量日本一を誇っている。鯛を使った郷土料理は多いが、その代表はやはり鯛めし。「愛媛には2種類の鯛めしがあり、東予や中予地方では炊き込みご飯、宇和島では新鮮な刺身を使う宇和島鯛めしが根付いています」と話すのは、お食事処ほづみ亭・四代目の石丸敏光さん。かつて宇和島沖合の日振島(ひぶりじま)を拠点としていた伊予水軍が、船上で食べたのが始まりと伝えられ、魚に火を通さない魚めしは全国でも珍しい。現在の形になったのは、賄い飯が発祥ではないかとも言われている。
地物の鯛の刺身を特製のタレにつけて、生卵と一緒に熱々のご飯にのせて食べるというシンプルな料理。店によって、タレの味に工夫を凝らしている。「新鮮な鯛の歯応え、卵のまろやかな風味、秘伝の出汁をきかせたタレが三位一体となり、一度食べてファンになる方も多いですよ」と石丸さん。人気ゆえに宇和島以外でも食べられる店が増えているが、「宇和島の真鯛は鮮度抜群。わざわざ食べに来る価値のある逸品です」と石丸さんは胸をはる。
お食事処ほづみ亭
住所/愛媛県宇和島市新町2-3-8
TEL/050-5484-8569
営業時間/11:00〜14:00、17:00〜22:10
定休日/日曜(連休の場合は最終日に振替)
駐車場/あり
HP/https://s401200.gorp.jp
※掲載価格などは、変更される場合がございます。